良質な絵本は、子どもたちが英語に親しむ最良の入り口。でも日本の子どもたちにとって絵本の「英文を読む」ことは、すぐにできることではありません。児童英語教育に国を挙げて取り組んでいる韓国においても、事情は同じでした。そこで、韓国の出版社JYブックスは英米のよりすぐりの絵本をもとに、特別なCDを制作しました。
外国語として英語を学ぶ子どもたちのために、歌でストーリーを楽しめるようにしたのです。リズミカルな音楽や効果音に乗せた歌や朗読を聞いたり、ネイティブの子どもたちの声に合わせて一緒に口ずさむことで、正しい発音やリズムが自然に身につきます。もちろん、カラフルな絵を楽しみながら、動物や数字などの単語もいつのまにか覚えてしまいます。
[CDの基本構成]
①JYブックスのテーマソング
②歌で聞くストーリー
③ストーリーの朗読
④大人→子どもの反復練習
⑤子どもの歌で聞くストーリー
⑥カラオケ
*タイトルによっては構成が少し異なるものもあります。
CDはすべてアメリカ人のネイティブ・スピーカーを起用して、ロサンゼルス、ニューヨーク、そして「音楽の町」ナッシュビルのスタジオで録音されました。多くのミュージシャン、俳優、ナレーターが参加し、中にはピーター・ポール&マリーのピーター・ヤーロウのような著名なアーティストも含まれており、音楽やナレーションの質の高さには驚くばかりです。
ご家庭での絵本の読み聞かせ、児童英語教室や小学校での授業、そして絵本が大好きな大人のかた にも自信をもっておすすめできます。
外山節子(敬和学園大学客員教授)
私の大好きな絵本、子どもに読んであげたい絵本、大人にも読んでもらいたい名作が揃っています。その絵本の英語を歌にしてしまったCDはふたつの意味で優れています。
- 英語を外国語として学習する子どもが、自然な英語を吸収し、自分の力で英語の絵本を読めるようになるために製作されています。日本の子どものニーズに適していますね。絵本の英語全体を歌にして聞かせ、次にフレーズごとに子どもにエコーさせる、など様々な工夫がされています。ページめくりのキュー入りの「読み聞かせ」も収録されています。これは、子どもだけでなく、「読み聞かせ」に挑戦したい親御さんの練習にも役立つでしょう。
- 音楽の質が高いですね。絵本の英語は1冊ごとに特徴があります。それを最大に活かす音楽がつけられています。例えば、Each Peach Pear Plumは、♪♪♪♩♪♩♪♩!のリズムに乗っていて歌を覚えたらそのまま本文が読めます。Carol King風のI Went Walkingは大人も歌いたくなるでしょう。私のお気に入りのMy Cat Likes to Hide in Boxesはちょっとボブ・フォッシー風の音楽で、聞いているとトップハットを手にした猫がsing and danceする映像が浮かんできます。
幼児から小学校高学年まで使える様々なレベルの絵本が150前後ありますから、お子さんの年齢に合った絵本を選びましょう。親子でCDを聞いていると、お子さんのほうが先に上手になってしまうかもしれません。たくさん聞いて、楽しく英語を習得してください。
外山節子(とやま せつこ)
にいがた小学校英語教育研究会(PENの会)顧問。敬和学園大学客員教授。津田塾大学オープンスクール講師。English Timeシリーズ(オックスフォード大学出版局)など、数多くの英語教材の執筆・監修をし、児童英語講師養成セミナーを全国で実施している。